タヒチ Tahiti テーブルランプ

感性を揺さぶる南国文化へのオマージュ

1981年にエットーレ・ソットサスによって考案されたテーブルランプです。
製品名が示すように、ソットサスは感性的な南国のエキゾチシズムに強く惹かれ、西洋中心の機能主義や合理性へのアンチテーゼとしてこのデザインを生み出しました。動物を彷彿とさせるユーモラスかつ抽象的なフォルムと大胆な色使いが特徴のこの作品は、彼のデザイン哲学を体現したメンフィスを象徴する代表作の一つです。

鳥をモチーフにした遊び心あふれるデザインのランプは、「頭部」にあたる部分がピンク色の球形をしており、赤い「くちばし」から光を放つ構造。「頭部」には電球が内蔵されており、回転させることで照射方向を上下に調整することができるという、機能的な一面も併せ持っています。
ベースに施された抽象的な細菌や微生物のような形状の模様は、ソットサス自身がメンフィスのために考案し、「Bacterio」と名付けたオリジナルパターン。ソットサスおよびメンフィスの思想を象徴する代表的なパターンの一つとされています。

美しいアートオブジェとしての存在感を兼ね備えたこのランプは、MoMAなど世界の美術館に収蔵されています。