

omotesando atelier(表参道アトリエ)は、表参道の裏通りにある一軒家のサロン。
机やイス、照明、本、音楽にいたるまで、独自の視点からセレクトしたさまざまなアイテムが
あちらこちらに置かれていて、「アトリエ」という名にぴったりくる。
このサロンでスタイリストとして活躍する高柳さんが「ウルムスツールが好きなひと」だ。

ウルムスツールは負けないし、勝ちもしない。
─「勝つ」とか「負ける」とか、一体なんの話です?
高柳さん:店内の空間づくりにおいて、近代的なもの(例えば、ドライヤーであるとか、空気清浄機であるとか)をまったく排除するってことは、ほぼ不可能に近くて。 サロンでは、アンティークの家具を中心に揃えているので、そういったものとはうまく折り合いをつけなければいけないんだけど、ウルムスツールみたいなものがあると、その近代的なモノと、アンティーク家具との仲をうまく取り持って、調和してくれる。 近代的なものは勝ってしまいがちだけど、ウルムスツールは負けない。負けないし、勝ちもしない。邪魔しない存在ですね。
─ ほぉぉ・・・なるほど!!と思わず唸ってしまうほどの説得力。さすが好きなひとが語るだけありますね。
そこに永遠がある。
─ 本に囲まれた空間や美術室、図書館の空間がお好きと伺いました。
高柳さん:穏やかな場所、居心地のいい空間、なごみを追及すると柔らかい空間になりすぎてしまうんです。 でも、そこに凛とするもの(ウルムスツール)を置くと、空間が引き締まりますね。 そういった意味では、アアルトのスツール60も同じ役割。アンティークのテーブルにアンティークの椅子を合わせる。相性はいいんだけど、凝り固まってしまう。そこにスツール60とかウルムスツールを合わせると、ピリッと締まる。 ウルムスツールもアアルトのスツールも古くなることがない。永遠がある。
─ 「永遠がある」・・・。これは素敵な名言ですね。

アンティークテイストの空間にばっちり溶け込むウルムスツール。

アアルトのスツール60(左)とも好相性。

レジ前で手荷物置きとして、さりげなく佇むウルムスツール。
「最強のただの箱」は、最高の褒め言葉
─ 機能性についてはどうでしょうか?
高柳さん:ただの箱なんだけど、テーブルにもなったり、ブックシェルフになったり、座れる。 なんでもつかえる。ある時は踏み台だったり、椅子だったり、普段はレジ前のかばん置きにも使っているし、制限されない機能性が大きな魅力。 ただの箱の強みかもしれない。
─ 機能なんてのは後付けでもいい。使って、活用すればそれが機能になるんですね。そういう面ではなんの変哲もない箱だからこそ、枠に捉われないポテンシャルがあるのかもしれないですね。

カラーリング剤を塗る作業があるときはトロリーを使っているが、そのトロリーが埋まっているときはウルムスツールの出番。「座面にカラー剤が入った容器を置いて、ただの台として。」

サロンではお子さんの髪を切るときにウルムスツールを使うことがある。「普段使っている椅子だと、子供の髪を切るときに背もたれが邪魔をするので。」


納品した当時はまだ真っ白。無垢材ならではの経年変化も魅力のひとつ。
出会いから、変わらず好きなものへ。
高柳さん:6年前にお店を改装する際、とあるカフェで使っているのを見て、ウルムスツールを知りました。美術館でも使われているし、カフェで古いテーブルと合わせて使われているし、すごく魅力的に感じて。 それでとても探していたんですが、当時Vitraでの取り扱いが終了していて、手に入れられなかった。 結局、改装時にはアンティーク調の家具を中心に揃えてもらって、アアルトの椅子とウルムスツールは置いていませんでした。
─ その後、2011年にメトロクスが輸入元として販売を再開し、高柳さんの元に。
高柳さん:僕も、時代とともに生きていて大人になるにつれて変わっていく。その中で、いつの時も、その時の好みで持っているものと、変わらず好きなものが共存している。 ウルムスツールはその中で、変わらず好きなもの。

omotesando atelier │ 表参道アトリエ
150-0001 東京都渋谷区神宮前4-3-18
Tel. 03-6804-1097
月 - 土 10:30 - 19:00 日・祝 10:30 - 18:00 火曜日・第3水曜日定休
その他のウルムスツールが好きなひと
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METROCS
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