Max Bill
マックス・ビル|1908 - 1994
スイス、ヴィンタートウール生まれ。1994年没。
マックス・ビルの名前は、コンクリートアートや環境デザインと結びつくことが多いが、彼はいわば多方面で活躍したスイス人「ユニバーサル・クリエーター」だ。
1924年から1927年にかけてチューリッヒで彫金の修業をし、その後、バウハウスでカンディンスキーやクレーのもとで学ぶ。1929年以降、画家、彫刻家、グラフィックアーティスト、建築家、そして後には工業デザイナーの顔ももつことになるが、当初は画家としての活動がメインだった。この時期の幾何学的且つ抽象的な作品の一つとして、「一つのテーマに対する15のバリエーション」(1935年-1938年)がある。
バウハウスの精神を継ぐべく、ウルム造形大学設立にも尽力した。彼の言葉を引用する。 「アートはかなりの部分、数学的思考によって作ることができると考える。私は数学を数字と記号のみを使った科学とみなすが、一方、アートは美の研究あるいは理論である美学を扱う、美に対する心理的反応であると思う。即ち、(アートは)数学のアンチテーゼなのだ」 現代美術の主要コレクションにマックス・ビルの作品は欠かせない。