Olivetti Pen Tray/ペントレイ

オリベッティのデスクトップアクセサリー

「機械は質実で、しかも優美でなければならない」
これは、1911年オリベッティ初のタイプライター《M1》が完成したときに、カミロ・オリベッティが残した言葉です。 工業デザインについてほとんど語られることのなかった当時はもちろん、デザインについて多くの論議がとびかう現在においても有効な名言と言えるでしょう。

オリベッティは、機能性と人間性のバランスを追求し、一境地を拓いた希有な企業といわれています。 カミロ・オリベッティ、マルチェロ・ニッツォーリ、エットーレ・ソットサス、マリオ・ベッリーニ、 マルコ・ザヌーソ、ハンス・フォン・クリア、そしてミケーレ・デ・ルッキなどそうそうたるメンバーがオリベッティのプロダクトデザインの歴史を築き上げました。

こちらのペントレイは、オリベッティの社内向けノベルティとして作られていたホーロー製のペントレイです。卓上計算機の発売や、ソットサスがデザインに関わった大型電子計算機「Elea 9003(エレア9003)」の発表を行うなど、計算機の分野にも進出したオリベッティは、60?70年代にエレクトロニクス化を進め、情報処理部門の比重を高め、コピー機、パソコン、プリンタなどのOA関連製品の売上げ比率が8割に至りました。会社創立50周年にあたる1958年には2万4000人強の従業員を擁するまでとなり、たびたび社員に向けて、著名な作家によるアート作品や、カレンダーなどのノベルティが製作されました。これらはもちろん非売品で、このペントレイもその一つです。