F061サイドボードについて

このサイドボードは、ピエール・ポランが1950年代にデスクと同様にフランスのトーネット社から発表した製品をベースに、氏にリ・デザインをお願いし誕生しました。ポラン氏のプロダクトを扱った書籍などにも登場しない非常にレアな製品です。ポラン氏自身も当時の記憶が定かでは無いということで、生産期間も短かったようです。メトロクスの蔵書の中にも写真が掲載されている書籍はなく、同じようなデザインのスケッチのみが掲載されていました。

メトロクスがこの製品に出会ったのはアメリカのオークション「wright」。偶然にもオークションに出品されているとの情報を受け、入札することに。時差の関係で入札は明け方に行われましたが、無事に落札。購入の費用は現在販売中の製品の数倍に・・・。その後も輸入の手続きが厳しく、日本へ輸入するまでには時間がかかりました。

2003年に復刻したF031デスクはオリジナルに忠実に再現されていますが、このサイドボードは、メトロクスからの提案とポラン氏の意向を踏まえ、新たにスケッチをお願いしました。製品化になるまでには、デザインの異なる数度の試作品を繰り返し、最終的に現在のかたちとなったわけです。

オリジナルは木材+プラスチックの組み合わせになっていますが、経年化による劣化やメンテナンスの問題を考慮し、復刻版ではデスク同様に木製の引出しを採用しています。デスクと一緒に使用できるという事やAVボードとしても使用可能なように、オリジナルをベースに改良が加えられています。

サイドボード・オリジナル オリジナルのサイドボード。全てが引出しの仕様で、引出しの素材はプラスチック。

スケッチは書籍『PIERRE PAULIN』より スケッチは書籍『PIERRE PAULIN』より
左奥に復刻版のサイドボートと同じようなスケッチが描かれています。

デザイナー、ピエール・ポラン

ピエール・ポラン

Pierre Paulin/ピエール・ポラン [1927-2009]

1927年フランス、パリ生まれ。2009年没。
大叔父が彫刻家、叔父も自動車のデザイナーという彼らに憧れて彫刻家を目指すが、事故で右手を怪我して断念する。パリのエコール・カモンド校で家具の伝統を学び、イームズ、サーリネン、ネルソンから多大な影響を受ける。1954年からフランスのトーネット社、オランダのアーティフォート社より家具を発表し、1965年には造形的かつ座り心地も優れたリボンチェア、翌年にはその名の通り“舌”を思わせるタンチェアなど自身の代表作ともなる椅子を発表。その後もそれまでにはないストレッチ素材の布を使って様々な椅子を発表した。

1970年には大阪万博において、フランスパビリオンにトリコロールのソファ“アンフィス”を登場させる。メタルの土台に幾つものパーツを様々な角度で繋ぎ、中央のクッションが最後に入る事で長い接触面の摩擦がフォルムを固定するという新しい発想の巨大なソファは、パリ日航ホテルのロビーにも使われ当時の人々を驚かせた。1987年国際インダストリアルデザイン賞を受賞、60・70年代のフランスを代表するデザイナーの一人である。

【氏の代表作】

  • Orange Slice

    Orange Slice [1960]

  • Butterfly

    Butterfly [1963]

  • F444

    F444 [1963]

  • Mushroom

    Mushroom [1963]

  • Little Tulip

    Little Tulip [1965]

  • Tulip

    Tulip [1965]

  • Ribbon

    Ribbon [1966]

  • Bookcase

    Bookcase [1967]

  • Tongue

    Tongue [1967]

  • Declive

    Declive [1968]

  • F598

    F598 [1968]

  • Le Chat

    Le Chat [1972]

  • Amphis

    Amphis [1976]

  • Pumpkin

    Pumpkin [2007]